仙賀城(佐野市) 仙賀城は佐野市(旧・葛生町)松井町字勢ヶ窪にあるとされている。地元の方に聞いてやっとみつけました。勢ヶ久保。 勢ヶ窪は、仙賀沢、仙賀沢山ともいう。同音の読みなので変化したのだろう。 しかし、勢ヶ窪の上の山には遺構が無い。
↓勢ヶ久保(仙賀窪)はこの奥。 その上が仙賀沢。仙賀山は不明ですじゃ。
周辺を歩き回った結果、勢ヶ窪あたりとは違う尾根に城の遺構を発見した。 しかも、山の頂上ではない。かといって、町を見渡せる山腹でもない。その中間で、人の目からみつかりにくい奥の山で、城下の町の見通しもきかない。沢の一番奥から登った上の山にあった。北側の峠道を監視している感じだ。 こんなに分かりづらい城は嫌だ。すごい変な所に作ったなぁ。 で、ご注意を。 実は、これが仙賀城であるか確証が無い。この地域は隣の豊代地区に入っている。仙賀沢とは一つ沢違いで、尾根も違う。これで仙賀城といえるのかが疑問である。 実は、新しい城跡を発見した可能性もある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー では、仙賀城を紹介している書籍を見てみる。 「栃木県の中世城館跡」と「栃木縣史」に少々掲載されている。あと、佐野市が発行している城郭一覧にありますね。それらによると、 1・仙賀山の山頂に城跡がある。 2・比高約130m。 3・藤原秀郷の末裔、太田四郎行光による築城。平安時代。 4・城は992平方メートル。 5・西南に大手。 6・主に西に向かって遺構がある。 7・城外に河合郭、杉郭がある。城の南に松の内郭がある。 ↑こんな感じ。どこにあるのか見当がつきましたか?私は現地に行くまで全然分かりませんでした。 1番の、仙賀山って結局どこだか分かりませんでした…。 2番の、比高130mってのは、だいたい合致しました。 3番、平安時代の城って、どんな形をしていたのでしょう。堀や曲輪で明確に区切らず、自然地形を利用したり、山賊が籠る砦のようなスタイルだったのでしょうか。山頂に細曲輪だけとか…。どなたかご教授ください。
もっと凄いのが、太田行光が築城して居城にしたこと。太田行光は、小山政光の親父です!!あんな大人物の城だったとは…。 太田家は藤原秀郷の直系といわれているので、葛生あたりも領していたって事か。三男の政光は小山荘を貰ったのです。 4番、面積は分かりません…。佐野市の一覧に面積が書いてあった992uってけっこう広い。主郭はもっと狭いデス。市は測ったのでしょうか。不明。なので、城跡全部含めてなのかな…。地形がデコボコなので測れませんでした。 5番、西南に大手があるというのは合致します。あそこが入口でしょうけど、急斜面を滑り落ちるように降りてきました。ほんと、ひどい!ひどい入口ですよ!登城口だから登れと言われると、登れません。すべり落ちてくることしかできない。巨大な岩に邪魔されているし…。他に入口はありません。超ハード大手門です。 6番、主に西に遺構…。確かに。しかし、北の峠道が近く、北にも遺構があります。東にも。南にも。これは図面アップして解説します。 7番、曲輪などの呼称は確認できませんでした。城跡には誰もいませんでしたので。 次回「長七郎江戸日記 天空要塞・仙賀城」ご期待ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は東側から入りました。勢ヶ久保から登ると楽に行けます。
描いてみると、けっこうカッコいい。まるで天空に浮かぶ要塞。
細かい曲輪は適当な部分もあります。 なにせ岩がゴツゴツしていて、よく描けない。絵が下手で、急な崖っぷりが再現できないので口惜しい。 とっても危ない岩の崖ばかりでした。
非常に危険なので、注意してください。 行かれる方は自己責任で。
高さ250mくらいの岩山に主郭を置き、北、東、西に曲輪を配置。
西の山伝いには2本の堀切で防いでいる。
大手門は西南と伝わる。2本の突き出た岩盤が櫓台代わりなのだろうか。その下は絶壁なので、落ちたら危険。 絵が下手なので、この高低差を再現できない。
この辺り、怖すぎて写真撮るの忘れました。 めちゃ怖いっすよ。
その間をすり抜けると、城下の沢へ出られる。その長〜い沢を下れば、町に出られる。 とても大変な大手口である。
危険なのはここだけでなく、城全体が岩が露出していて危険地帯。
特に、南側の段々の所には行けなかった。上から見下ろしただけ。 おそらく、そこが「松の内郭」と思われる。こちらは岩盤が切り立ったトンでも地形。 下から行けるかな。あとで行ってみよう。
河合郭、杉郭は分からなかった。西の曲輪かな?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
では細部解説。
主郭の東と北側には小規模な曲輪群が。 城の説明には主に西側に遺構があるとされているが、東にもなかなか。自然地形が多いデス。 岩がゴツゴツ!
しかし、東側は守りが薄い。
何も無いと思っていた北には、細い尾根が何筋か。 そこに小曲輪を随所に配置してあった。
大手門は西南にあるが、本来の警戒方面は北ではないだろうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |