小日向砦 おびなた とりで

(栃木県佐野市作原)

 

 

 

 

田沼町史に小日向砦というのがある。別名、小日向城ともされる。

位置が不明とか、遺構が無いとか、昔から謎の城だった。

 

 

ブログ「春の夜の夢」管理人・アテンザ23Z様が来訪された情報により、小日向砦の位置が分かった。あの方は凄い。めちゃくちゃたくさん訪城されている。

 

 

小日向砦は、下作原の小日向山にある。

あ〜山奥だな。さらに奥に蓬山城があるのか。あと、小さい城跡も発見されたそうで。こんな山奥に城を造るなんて。

峠道を監視するために作ったのだろうけど、佐野家って、すべての峠道を監視しないと気が済まないんでしょうか。至る所にありますよね。

 

 

蓬山城って、佐野家の詰めの城じゃなくて、峠を監視するための城と思うのです。

 

 

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小日向砦 縄張図

栃木県佐野市作原(旧 田沼町作原)

 

 

 

この小日向砦には問題がある。

はっきりした城の遺構が無い。

一番遺構っぽいのが、堀切のような…溝があるだけ。

 

アテンザ23Z様もおっしゃっているが、「堀切のような」という場所。確かに、堀切のような窪みがありました。

 

 

これは城跡なのか…?私には判断できませんでした。

うむ、城跡かもしれません。

 

 

そんで、田沼町史にある井戸跡というのは‥これも無し。

主郭の石組が井戸か?それとも主郭北西下の窪みを井戸と見たのか?

 

分からない。謎です。

 

 

 

 

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城の構造について

 

 

小ピークの主郭は極小のスペースしか無い。その前衛には、はっきりしない段々が4段くらい。北東側にも段々が3段くらい。

 

主郭とした場所は神社跡だろうか。何かの石組みがある。

多少のデコボコはあるが、削平されている。土塁無し。

 

主郭背後の北西側は下って岩場があり、ここが堀切?のような。伐採時の山道のようなものも通ってるし。よく分かりません。

 堀切?の西は竪堀のように見えるが、L字に曲がり下って山道のよう。

 

 これが城になるか、ならないかの判断要素ですね。

 

 

 ここから背後の山に行っても遺構無し。一旦下るが、あとは平坦な鞍部に山道の登り口が来ている。そこからは上の山に急登してゆく。

 

 

よって、城と考えられる部分は小ピークだけである。

 

 

 

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まとめ

 

おそらく、田沼町史にいう小日向砦は、ここで間違いない。

しかし、明確な遺構に欠ける。

 

小日向山の東には、矢竹沢と前沢川が流れる。南を野上川が流れる。

川に挟まれた山に城がある…。一応、立地的には城かもしれない。

 

遺構的に「城」という決め手があれば良かったのだが。

 

 

城があったとの伝承があったのだろうか。田沼町史に掲載された理由は分からない。

 

 

 

 

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