岩原城(宇都宮市) (栃木県宇都宮市岩原町)
岩原城は栃木県宇都宮市にあり、書籍「栃木県の中世城館跡」や「城郭大系」に掲載されている。宇都宮西部の平城で、宇都宮家臣・高橋家の館スタイルの城郭である。あの有名な「宇都宮の三高橋」のうちの一家で名家です。
城内は完全に民家なので、見学の際は必ず有者に許可をとること。
縁あって、書籍「宇都宮の中世城館跡」(著池田貞夫氏)に縄張図を提供させていただいた。池田さん、大変お世話になりました。 ※その中では「岩原城東城」として紹介されている。
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岩原城 縄張図宇都宮市岩原町
城の構造について
東と南に山をかかえ、その麓の平城である。屋号を堀の内という。館スタイルだが、残された遺構を見ると、横矢がかり、二重堀など、防備につとめた良い城と見受けた。
北西に横矢あり。現在、岩原城の北東部分は運送屋さんの敷地になっている。もとは高橋家の入口だったので石柱の残りがある。この辺りは改変されているが昔は堀があったという。 南の長屋門隣に堀跡があり、周囲も観察すると、横矢であったと思われる。
書籍「栃木県の中世城館跡」によると、城の範囲は東西60m×南北98mくらいだそうだ。この数値は遺構が残されている範囲を計測したにすぎない。周囲を観察すると、もっと広いと思います。 昔は全体が二重堀で囲まれていたが、現在は一重しか確認されない。土塁など崩されつつあるが、平地の民家で良く残されていると思う。見学させていただいた所有者の方に感謝申し上げます。
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まとめ
宇都宮家の拠点である多気山城の付近にあり、城の規模はなかなかの広さがある。多気山城下を守る高橋家の居城。周囲にはたくさんの城館が配されており、藤本、田中城、新里大堀、中城など、それぞれ宇都宮家臣が守っていた。
北側の道路を挟んで半田氏屋敷にも土塁がある。書籍「宇都宮の中世城館跡」では岩原城東城の一部とされているが、これは民家の土塁の可能性もある。往時はどうなっていたかは分かりません。現在では半分以上壊されています。
書籍「宇都宮の中世城館跡」(著池田貞夫氏)は完売してしまいました。在庫はありません。元々発行部数は少なかったのですが、下野新聞に広告されたら、注文がたくさんきてすぐ完売。県内のいくつかの図書館に所蔵されていますので、気になる方はそちらでお読みください。 現在の宇都宮市(上河内、河内も含む)にあった城跡と、伝承のものまで掲載してあります。城に関する歴史、字名、史跡等も詳しく紹介されていますので面白いですよ。
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