蒲生家当主列伝

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蒲生秀成　がもう　ひでなり

　五郎。下野国蒲生に拠る。

　蒲生家は、藤原鎮守府将軍秀郷の次男・相模介千晴六代孫太郎雅俊が、奥州より出て平家の世、近江国蒲生郡を賜ると「蒲生記」にある。しかし、蒲生秀成の名は「蒲生系図」には見られない。

　宇都宮家３代朝綱の頃には下野国蒲生にあった豪族である。下野の蒲生家は藤原系ではあるが、千晴系の近江蒲生家とは系統が違うようだ。古代よりいた毛野による下野支配時代からいた豪族かもしれない。

　宇都宮家が勢力拡大してからはこれに属し、宇都宮朝綱の庶子・秀綱を養子に迎え家督とする。
　宇都宮家は、周辺豪族を取り込み家臣化していき、その勢力を急速に伸ばしていった。

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蒲生秀綱　がもう　ひでつな

　大炊助。宇都宮朝綱の４男。妾腹の子。

　蒲生秀成の跡を継ぐ。これにより蒲生家は宇都宮一族となり、勢力拡大の一翼を担うこととなる。

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蒲生綱郷　がもう　つなさと

　内蔵助。

　子が無く、横田頼業の４男・実業を養子に迎えた。
　蒲生秀綱との関係は不明だが、年代からして、秀綱の子である可能性が高い。
　娘は多功朝継に嫁し、多功朝経をもうけている。その次男・景貞は蒲生家を継いでいるから、血筋は保たれていることになる。

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蒲生秀頼　がもう　ひでより

　初名・実業。八郎。横田頼業の４男。蒲生綱郷の跡を継ぐ。

　これまで蒲生家は宇都宮の南に位置し、その方面の支配、守備の役割を果たしていた。しかし、宇都宮頼綱の出家騒動に瀕し、南方への守りに不安を感じた宇都宮家は1248年に多功城を築き、多功宗朝を置いた。また、翌年には横田頼業が上三川城を築城、そちらに移って守備を固めた。

　これらと共に蒲生家は、南方への守りとして重要な役割を担っていた。
　「東鑑」に、越中八郎秀頼の名が見える。兄たちと同じく、父譲りの武勇を持った武将で、兄弟らと共に鎌倉に仕える。父の横田頼業は、晩年に隠居した時、秀頼の屋敷で隠棲している。

　横田家から養子に入った事から、横田家のブレーンとして活躍したものと思われる。

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蒲生秀貞　がもう　ひでさだ

　蒲生秀頼の子。安芸守。妻は、塩谷忠綱の娘。

　子が無く、多功朝経の次男を以って家督相続させる。
　娘は多功景宗に嫁ぎ、多功宗秀をもうけている。

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蒲生景貞　がもう　かげさだ

　蒲生次郎。五郎左衛門尉。多功朝経の次男。
　多功から養子に入る。

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蒲生貞宗　がもう　さだむね

　五郎左衛門尉。妻は横田貞朝の娘。

　世代的に見て、蒲生景貞の子と思われるが、史料からは確定できない。

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蒲生秀家　がもう　ひでいえ

　蒲生貞宗の子。五郎左衛門。

　1380年の茂原合戦に出陣、先隊として芳賀成家、多功宗冬、上三川泰朝らと並んで名を連ねる。このとき、母の生誕年から考えて秀家の年齢は20歳〜25歳。

　こののち、蒲生家は歴史の表舞台から姿を消す。約150年後の戦国時代まで蒲生の名が登場しない。茂原において壊滅したのだろうか。横田家も多功家も大打撃を受けており、その間に位置する蒲生家も相当の打撃をこうむった事は十分に有り得る。
　または、勢力を失い宇都宮家の直臣となり、細々と暮らしたのかもしれない。

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